フォントフォーマットを知るための4つの視点と4つのフォーマット

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フォントフォーマットを知るための4つの視点と4つの代表的フォーマット

はじめに

デザインや、印刷に関わる仕事をしていて、避けて通れない概念に、フォントフォーマットがあります。でも、フォントフォーマットって何?と聞かれて、すらすら答えられる人は、たぶん稀でしょう。それほど、複雑で難解な要素を持っています。

フォントフォーマットを理解するには、少なくとも4つの視点から説明しなくてはなりません。その中心に位置する極めて重要な「PostScript」と呼ばれるページ記述言語(コンピュータプログラム言語の1つ)を解明していく必要があります。

もくじ 1. PostScript 前夜:各社各様のプリンタ事情
2. 革命的ページ記述言語:PostScript とは
3. PostScript 以後:Adobe、Apple、Microsoft 三つ巴の覇権争い
4. 立ちはだかる障壁:尋常ではない日本語文字種の多さ

この4方向から駆け足で眺めていきましょう。そこそこ長いので、4ページにわけてあります。

Adobe から始まったフォントフォーマットの流れ

Adobe というと、Illustrator や Photoshop、InDesign、Dreamweaver といった、大ヒットのアプリケーションを思い浮かべるかたも多いと思います。今や、世界を代表する大企業に発展しましたが、Adobe のルーツを遡っていくと、1984年に発表した、PostScript 言語にたどり着きます。

PostScript 言語を説明する前に、当時のプリンタ事情からお話ししなくてはなりません。

1. PostScript 前夜:各社各様のプリンタ事情

この時代を「PostScript 前夜」と呼んでおきましょう。プリンタメーカー各社は、自社製のプリンタでプリントアウトするための「ページ記述言語(以下:PDL〈Page Description Language〉と表記)」の開発にしのぎを削っていました。

しかし、その開発姿勢は、自社プリンタの覇権を念頭に置いたものだったため、PDL は自社だけのハードウェアを制御するための、いわば閉鎖的な「方言」の働きをするものでしかありませんでした。真の意味での業界スタンダードという発想がなかったのです。

技術がスタンダードにならないと、どのようなことが起こるのか。簡単ですね。各社独自の技術で互換性がないため、プリンタが変われば、そのプリンタに合う PDL を用意しなければなりません。あたりまえのことですが、「方言」が違うため、プリント結果が異なったものになってしまいます。

統一しようにも、どうにもならない、混乱した時代背景がありました。

● ● ●

現在でも名の通った、大手プリンタメーカーに Xerox 社があります。同社は、1984年当時から優秀な技術者を多数抱えていました。そして、Interpress という優れたPDLの設計図を発表します。しかし、この技術が完成することはありませんでした。なんと Xerox 社がビジネスとして本腰を入れなかったためです。

●時代の牽引者となっていく、Adobe の、そして PostScript の誕生

そんな閉塞状況の中、Xerox 社から、ジョン・ワーノックとチャールズ・ゲシキという二人の技術者が独立し、Adobe Systems 社(以下 Adobe と表記)を立ち上げます。1982年12月のことです。

当初 adobe は、他社同様、専用ワークステーション(工程を細分化したハードウェア)をつくろうとしていましたが、限界が見え始めたハードをいまさらつくっても仕方がない、とソフトウェアに照準を絞ったのでした。その英断が当たっていきます。2年後の1984年、二人は、革命的な PDL、PostScript を発表します。

PostScript は、プリンタメーカーの「専売 PDL」ではない、フリーな立場のソフトウェアという点で画期的なものでした。

当時のプリンタは、メーカーにより仕上がりが統一できない状態でした。そんな現状に大きな不満をもっていた一人の男がいました。そう、Apple Computer 社(以下 Apple と表記)のスティーブ・ジョブズです。彼は、Apple LazerWriter 開発の真っ最中でしたが、PDL の開発に決め手がなく、悩んでいました。

まさに、渡りに船だったのでしょうね。PostScript 発表の翌年、1985年には Adobe からライセンス供与を受け、早くも PostScript が搭載された Apple LazerWriter が日の目を見ることになります。

これを契機に、Desktop Publishing(DTP)の時代へ加速度を増して突入していきます。

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